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Cozy "Cube" Corner ある一人のスピードキューバーのブログ

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【BLDtutorial (記憶編)】 レターペア公開

お久しぶりです、小澤です。

大村さんがレターペアの共有ドライブを作成されたので、僕も便乗して自分の使っていたレターペアを公開することにしました。大村さん、ありがとうございます。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1gY89KDXTXpcoZp1l0qQfUl67XdFynfz1Eu55TC7Fzgw/edit?pli=1#gid=685460620

まだちょっとだけ訂正する箇所がありますので、それは追々加筆していきます。

P.S. お世話になった日本人キュービストさんへのメッセージの更新止まっていて申し訳ないです… 年内には全員分書き上げます。

ではでは~

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【BLDtutorial】~エッジファーストのすすめ~

こんにちは。今回は昔に書き溜めておいた記事の一つを、修正して公開します。
 

さてさて、いつも気まぐれで更新しているこのBLDtutorialですが、今回は触れられそうでまだ触れられていないテーマについて、書いていこうと思います。

今回のテーマは「エッジファーストのすすめ」です。


BLDerの皆さんは「コーナーファースト」と「エッジファースト」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
コーナーファースト、エッジファーストというのは、BLD(ここでは主に3BLD)において、前者ならコーナーをエッジよりも先に処理する、後者ならエッジをコーナーよりも先に処理するということを指します。
 
WCAの3BLD世界ランキング上位に位置するBLDerのほとんどがコーナーファーストを採用しており、エッジファーストを採用している選手は非常に少数(Marcin Zalewski,Noah Arthursなど)であるのが現状となっております。エッジファーストを採用しているBLDerはマイノリティであり、統計を見るだけでは3BLDはコーナーから先に解くのがセオリーではないか?と思われがちです。

ですが、その少数派であるエッジファーストには少数派ならではの(?)メリット、魅力が存在します。かくいう私も3BLDにはエッジファーストを採用しており、このソルビングスタイルを採用することでたくさんの恩恵を得てきました。今回は3BLDにおけるソルビングスタイルである、この「エッジファースト」の魅力について書いていこうと思います。
 
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いきなりになりますが、エッジファーストの利点、メリットについて挙げていきます。
エッジファーストのメリットでまず一番大きく挙げられるのはなんといっても、

文字記憶が得意な人に向いている
 
これです。
 
ここでいう文字記憶とは、ループの文字羅列(エッジなら12文字の文字羅列)を数え上げながら、その12文字をそのまま「音」で覚えるという記憶法です。
この記憶法を採用しているBLDerに、エッジファーストは非常に大きな威力を発揮します。



海外でエッジファーストが流行らない理由には、「アルファベットでナンバリングをしているから」という理由があるのではないかと私は思っています。
アルファベットは文字に、日本語のひらがなのような一音節(子音と母音の1セット。kaやsuといったような音。)の音が対応していません。英語圏の選手が、全てアルファベットでナンバリングされたループを音で記憶しようとすれば、Aなら「エー」、Bなら「ビー」、Xなら「エックス」と記憶することになります。エッジならループの文字数は平均12文字になりますし、12文字をいちいち「エービーエックス…」と覚えるようでは、記憶はかなりやりにくいのではないでしょうか。
このために海外のトップBLDerには、エッジのアルファベットでできたループもレターペアストーリーで記憶している選手が多いのではないかと思うのです。(これはあくまでも私の推測です。一音節の音を当てたいのならAならア(a)、Bならビ(bi)と記憶すれば済む話ですしね。これをやっているのがNoah Arthursです。) 

一つのナンバリングに一音節が対応していれば、音にして記憶するのが非常に容易になります。日本語のひらがなは一文字に一音節が対応しています。日本人選手にはひらがなでナンバリングをしている方が多いと思いますし、ひらがなでナンバリングをしている時点で、文字羅列を音にして記憶するのは、アルファベットナンバリングに比べて遥かに簡単ではないでしょうか。そして、連続した音を覚えることが得意な人には、文字を音にして記憶する記憶法「文字記憶」は威力を大きく発揮するのではないでしょうか。

この「文字記憶」の威力を最大限に引き出すことができるのが、「エッジファースト」なのです。

ここで、エッジファーストを用いた分析記憶、実行の手順の一つ「Noah式」を紹介します。

【分析・記憶パート】
①コーナーの8文字を、文字を数えながら2文字+2文字で1つの文章にして、それを2つ作る。そして作ると同時に記憶する。いわゆるレターペアストーリー記憶。ストーリーで覚えるため記憶の持ちが良くなる。
②コーナーのストーリーを覚えたまま、エッジの12文字を一気に数え上げ、数え上げてできた音12の音を、音で覚える。いわゆる文字記憶。文字をそのまま覚えるため、記憶の持ちはよくない。

【実行パート】
エッジを先に実行する。ここがエッジファーストの「ファースト」である所以です。なぜ先に解くか。それは先ほどの分析・記憶パートの②にあるように、エッジは文字で覚えるため、記憶の持ちが良くないからです。記憶の持ちが良くないために、一番最後に記憶して、一番最初に解くのです。
②コーナーを実行する。


そもそもなぜエッジコーナー両方を文字で記憶しないのでしょうか。それは、いくら文字記憶能力がある人でも、さすがに20文字を一気に覚えることのできる能力を持っている人はほぼいないからです。

一般的に、人が一気に覚えることのできる文字数の限界は7±1と言われており、この数値をマジックナンバーと呼びます。しかしその限界量は個人差があり、12文字以上を覚えることのできる人もそこそこの割合で存在します。

コーナーとエッジの両方をすべて文字で記憶するのはさすがに無理があります。が、どちらか片方をストーリーにして、記憶すれば、文字記憶の負担が減るのではないでしょうか。
ストーリー記憶は文字を数え、それをストーリー化するという二段階のステップをとって行う記憶法なので、文字を数えてそのまま記憶するという一段階のステップで済む文字記憶に比べて、どうしても記憶時間が遅くなります。
ストーリー記憶に比べて文字記憶の方が速く終わらせられるのであれば、記憶分量の多い方=エッジの12文字を文字で記憶した方が、コーナーの8文字を記憶するよりも効率が良いのです。



さて、ダラダラと長くなりましたがまとめに入ります。


ひらがなナンバリングは文字列を音として記憶する「文字記憶」に向いており、日本人選手の大半はひらがなナンバリングを採用しているため、文字記憶能力のある日本人は、文字記憶を中心にした記憶法で爆発的にタイムを伸ばすことができる。

記憶を素早く終わらせることのできる文字記憶を、記憶分量の多いエッジにあてて、さすがに残りも文字で記憶するのは無理があるから、残りのコーナー8文字はレターペアストーリーで記憶する。

ストーリー記憶に比べて文字記憶は記憶の持ちが良くないから、文字記憶のパート=エッジを先に処理する。

これがエッジファーストが文字記憶が得意な人に向いており、センスのある日本人選手がエッジファーストを採用することをオススメする理由です。



うーん、見返してみましたが、ダラダラとした文章で、まとまりなくて読みにくい…
すみません。あとでまた手直しします。
まあ、前々から思っていたことの一つをやっと記事にできました。
キューブから身を引いた後でもこのBLDtutorialは定期的に書いていこうかと思います。今では自分よりもセンスに溢れた日本人BLDerが増えてきましたし、もうこのブログも情報源にはならなくなってきたと思うんですけどね。数年したら見る価値もなくなってそう。まあいいか。


それでは今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。

BLDtutorial【Tips】BLDのちょっとしたテクニック、練習の際に意識すること

BLDのちょっとしたテクニックと練習の際に意識するべきことをちょろっと紹介します。
BLDは「覚えて解くだけ」の競技ですし、正直テクニックなんてあってないようなものと言っても過言ではありません。ぶっちゃけ記憶のスピードで全体のタイムはほぼ決まります。

ですが、タイムを微妙に伸ばすためのテクニックや練習法は一応あることにはあります。日本語でのこういった情報はなかなか目にすることはできないと思いますので、私が感じ、身に付けてきたテクニックをさらっと紹介しようと思います。まあ上位陣は大半の人がやっていることですが。ではいきましょう。

1.透視

まずは「透視」です。透視ってスピードだけのものじゃないの?って思っていませんか?
答えはノー。BLDにも透視という概念が存在します。
BLDの透視とは、  

B面に読み取らなくてはならないステッカー(≒ナンバリング)があったとき、キューブをチルトして見ることなく、コーナー2色のステッカーを見ただけでステッカーの色(≒ナンバリング)を割り出す

というものです。
些細なテクニックではありますが、効果は結構あると思います。余計な動作が省かれることで分析のスピードが0.5秒~1秒は変わり、結果として記憶のスピードは微妙に速くなります。sub35くらいからは0.5秒~1秒のような短い無駄をいかにして省くかが重要になってくるので、そのくらいのレベルの人はできたほうがいいです。というか自然にできてくると思います。

なお、エッジでは1色を見ただけでは特定できないため、このテクニックは使えません。

2.分析記憶の際に指をいちいち折らない

指をいちいち折って、エッジのループの数が12前後になっているかを数える、これは初級者~中級者の方に非常に多くみられる行為です。
分析記憶にまだ慣れていないうちは構いませんが、ある程度のレベルになったら指を折らずに、感覚で12前後になってるかは瞬時に判断できるようになってください。慣れてくれば途中でループが途切れても、まだ分析が終わっていないパーツがどことどこなのかはすぐにわかるようになります。ある程度分析記憶になれたら指を折るのをやめて、どのくらいまで分析が進んだのかは「感じ取って」ください。

3.記憶時間をチェックしよう

BLDはタイムで勝敗を決めるスピード競技ではありますが、実態は記憶競技です。上位になればなるほど、記憶のスピードで勝敗がほぼ決まります。
上位で戦っていくにあたっては、記憶をいかにして鍛えていくかが練習の肝であるので、自分の記憶時間が今どのくらいかは常に確認するようにしましょう。そして今の自分はなぜこのくらい記憶に時間がかかってしまうのか、といったことをきちんと考えていきましょう。
記憶の伸びに限界はありますが、ある程度までは意識して鍛えていくことで改善されていきます。記憶時間をいうものに意識を向けることで、削るべきものは記憶である、ということを強く意識するということです。

4.ビジュアル記憶は最終手段

記憶法でビジュアル記憶に重きを置くのはもう過去の話で、ビジュアル記憶に頼っているようでは絶対にどこかで躓きます。ビジュアル記憶は使うならば最終手段として使い、上位を狙いたいけどビジュアル記憶をまだ使っちゃっている人は今すぐ文字記憶かストーリー記憶に変えましょう。
ビジュアル記憶を使っていいのは、

①CO,EOの記憶
②2点交換や、バッファを介しない3点交換の分析で、文字で分析記憶するよりはビジュアルで分析記憶したほうが明らかに速い

ケースのみです。
 
 
 

ちょっと時間がないのでこのくらいで。今回は4つしか挙げませんでしたがまだまだたくさん知っておいたほうがいい情報は存在します。暇なときに少しずつ加筆していきたいと思いますので、ご期待あれ。

BLDtutorial 【コラム】 各目標タイム到達のためにやるべきこと 目標:sub120,sub90,sub60

お久しぶりです。
キューブに触らなくなってそろそろ丸々一ヶ月が経とうとしていますね。
キューブ禁どこまで続くか。

さて、キューブに触れていない以上このブログを更新する意味も今やなくなり、このまま凍結することになるのかなと思っていましたが、これからBLDを始める人への質の高い情報をあと少し発信したいなと思って、この記事を書きました。でも次回はもうないかも。



日本のBLDのレベルも1年前、2年前に比べて非常に向上し、瞬く間にsub60BLDerが大勢誕生したわけですが、まだまだ「質の高い情報」というのは初心者の目の届かないところにあり、誤った情報が広がる元を断ち切れていないのが現状です。スピードキューブ上級者の日本語による情報交換の場はもっぱらTwitter上に限定されており、Twitterアカウントを持っていないキューバーにはその情報を知るよしがありません。こういったところに光を投げかけていき、初心者に質の高い情報を発信していくのがスピードキューブ上級者のするべきことではないかと常日頃感じております。

今回のテーマは「3BLDでの各目標タイム到達のためにやるべきこと」です。

現在普及している質の高い情報に基づいたアプローチをすることで、大半のキューバーのBLDのレベルは90秒くらいまでは到達できると私は思っております。
ですが、それには正しいメソッド、正しい練習法に則っていることが大前提です。
これからBLDで実力をつけたいという方は、以下の原則を守ってください。

1.「位置合わせと向き合わせを同時に行う解法」を使用する
2.自分の記憶能力に見合った記憶法を使う

まず1についてですが、解法は「位置合わせと向き合わせを同時に行う解法」を絶対に使用してください。言い換えますと、3OP法(=3サイクル法、COCPEOEP法)は絶対に使用しないこと、ということです。
ただBLDができるようになればいい、という方は別に構わないのですが、今の時代にBLDをこの解法で始めるのは、スピード競技をCFOP法ではなくわざわざツクダ式で始めるようなものです。無駄な手順が多く、難易度が無駄に高い割には良いタイムも期待できず、コストパフォーマンスは非常に低いです。どの解法を使用するのは本人の自由ではありますが、私はお勧めしません。3OP法に特別なこだわりがあるという方は結構ですが、そうでない方はやめておきましょう。

次に2についてですが、記憶法は必ずこうでなくてはダメ、というのはありません。上級者はほとんどが文字記憶をベースにしたストーリ記憶を使用しています。が、人間の記憶能力には個人差がありますし、記憶法の向き不向きというのは当然にあります。文字記憶能力がそこまでないという方は、自分にあった別の記憶法を採用しましょう。

以上の原則を守って、各目標タイムごとの練習を行っていきましょう。


レベル1: sub120
「いきなり2分切り!?」とお思いの初心者の方は多いと思いますが、なんらビビることはありません。以下の方法論でアプローチすることによって、2分切りは十分に達成可能です。

①「位置合わせと向き合わせを同時に行う解法」を使用する。オススメはOld Pochmann法。できればエッジはM2法

解法については上述の通り、「位置合わせと向き合わせを同時に行う解法」を使用してください。これは大前提です。
ですが、単に「位置合わせと向き合わせを同時に行う解法」と言ってもいろいろな解法があり、何を選べばいいのかわからないという方は多いと思います。
とりあえず2分切りを目指す方に、私はエッジにはM2法、コーナーにはOld Pochmann法をオススメします。

Old Pochmann法やM2/R2法は、覚えた文字列/ステッカーの動き方、に対応する手順を、何も考えずにそのまま回していくだけで揃うという非常にわかりやすい解法です。
UFなら、R U R' U' M2 U R U' R'、LDならB L' B' M2 B L B'といった感じに、各文字/ステッカーの位置に手順が綺麗に対応しています。
「位置合わせと向き合わせを同時に行う解法」には正直難しい解法が多いです。ですが、Old Pochmann法とM2/R2法は初心者にも習得はしやすいです。
これといったこだわりがない方はエッジはM2法、コーナーはOld Pochmann法を採用するのが無難です。

※エッジもコーナーも両方Old Pochmann法じゃダメ?という疑問がここで出てくると思いますが、別に全然構わないと思います。ですが、エッジ、コーナーの両方をOld Pochmannで解くと、フルスロットルで回しても50秒はかかるでしょう。記憶に相当慣れている方ならこの解法でも2分切りは可能ですが、そうでない方にはちょっと厳しいかと思います。確実に2分を切りたいのなら、エッジはM2法を使いましょう。コーナーはOld Pochmann法のままで大丈夫です。R2法はコーナーOld Pochmann法の改悪解法ですので、習得する必要はありません。

②記憶は最大70秒以内に終わらせる
エッジM2法、コーナーOld Pochmann法の実行タイムはフルスロットルで回せば大体35秒くらいで安定します。2分切り、という目標タイムから逆算すると、記憶には最大85秒かけていいということになります。
ですが、この35秒はあくまでも止まらずに全力で回した上での実行タイムです。止まらずに全力で回すのが厳しいという方はこのレベルでは多いと思いますので、止まることも想定して、余裕を持って、最大でも70秒以内で終わらせるようにしてください。

③記憶法はまだ気にしなくていい
2分切りくらいのレベルなら記憶法はそこまで気にしなくてもいいと思います。記憶を70秒以内に終わらせるなら何を使ってもいいでしょう。ビジュアル記憶が得意ならビジュアル記憶、文字記憶が得意ならば文字記憶、ビジュアル記憶が苦手で、文字記憶も苦手なら、文字列をストーリー化したストーリー記憶を採用しましょう。

レベル2: sub90
「 sub90」。この辺りからBLDが速いといっていいレベルだと思います。sub90に到達したい当方は以下のことができるようになりましょう。

①解法はまだ気にしなくてもいい、
sub90レベルなら解法はまだエッジM2法、コーナーOld Pochmann法でも問題ないと思います。後述の記憶50秒切りができる人なら、もうそこまで手を止めずに実行ができるからです。これはBLDをそこそこやっている方なら感じていると思いますが、記憶が速ければ速いほど実行は止まりません。そして記憶が遅ければ遅いほど実行は止まります。記憶が50秒以内に終わるのは全然遅くないレベルです。実行パートは自信を持って回しましょう。

②記憶は最大50秒。
記憶はどんなにかかっても50秒までには終わらせましょう。実行タイムから逆算してもこのくらいが限界でしょう。

③記憶法をそろそろ気にし始める。
このあたりからそろそろ記憶法を気にし始めましょう。
ビジュアル記憶はまだ私用してもいい段階ですが、エッジかコーナーの片方は文字記憶に変えましょう。エッジコーナー両方をビジュアルで記憶しているようだとそろそろ記憶が厳しくなってきます。

レベル3: sub60
続いては一気に飛ばして「1分切り」です。ここがBLD上級者と中級者をわける大きな壁です。かんばって乗り越えていきましょう。

①記憶能力がある人は解法はまだ気にしなくてもいい。でも大多数の人はもう変えないと無理

正直、sub60辺りからは「才能」というものが絡んでくると思います。物事、才能という言葉で済ますのは簡単ですし、面白くないと思います。スピード競技と比較してしまえば、スピード競技はある程度のレベルまで努力で補うのが十分に可能だと思います。が、目隠し競技は正直持って生まれた記憶力、才能というのが絡んでくると思います。20文字という限られた文字数の記憶を反復練習をすることで、20文字を記憶するタイムを伸ばすことは可能ですが、記憶力の地力は半分どうにもならないところがあります。これは仕方のないことです。
ですが、sub60レベルならばそこそこ記憶力を備えた人ならば努力次第で十分に達成可能です。

話を戻します。
記憶能力がある人、ここでは記憶が25秒以内に終わる人としますが、そういった方は解法はまだ変えなくても大丈夫です。記憶が25秒以内に終われば実行パートで手が止まりまくるということはまずないはずですし、実行パートをフルスロットルで回しきればsub60は余裕です。

問題は記憶能力に限界がある方です。
記憶に30秒以上かかってしまう方は、解法を修正することで実行パートを削り、sub60を狙いましょう。
コーナー解法を全て、無理ならば半分以上をcommutatorに変えれば実行パートは5秒は縮むでしょう。エッジM2、コーナーOld Pochmannが35秒かかるなら、解法の修正によって実行タイムは30秒になります。記憶30秒、実行30秒で合計1分。ギリギリ可能です。
究極、世界トップレベルの実行安定sub20レベルになってしまえば記憶は40秒を超えてもいいことになります。このように実行を削ることで記憶を補うことはできますから、記憶力に限界がなくても諦めないべきです。

②記憶は最大30秒

①に大半のことは書いたので詳細は省きますが、記憶はまあ最大でも30秒で済ませましょう。①に書いたことを初っ端から否定することになってしまい申し訳ないのですが、実際に実行パートを削るのは非常に労力の要る作業ですし、実行パートをがんばって修正してもほとんどの人は安定20秒弱になるのが精一杯です。実行sub20は指の速さといった他の要素も絡んできます。それに記憶にどうしても30秒以上かかってしまうようではここから先の伸びしろはもうないように感じます。

③ビジュアル記憶はもうなるべく使わない。使うとしても補助的に
記憶をやばくても30秒以内に終わらせるのならビジュアル記憶からはそろそろ離れるべきだと思います。全く使用してはいけない、という段階にはまだ早いと思いますが、ビジュアル記憶を記憶法のメインに置いているようでは30秒を超える回数がかなり増えてくると思います。ビジュアル記憶能力にかなり長けている人は問題ないのですが、そうでない方は文字記憶をベースにした解法に切り替えるのが無難でしょう。
 
今回はとりあえずここまで。次回はsub50の話から始めていきます。

BLDtutorial【コラム】~コーナー解法のすすめ~

こんにちは、小澤です。
このブログもあの「Cube Voyage」にリンク登録されましたので、ちょっと有益かなと思うことをひとつ書きます。
今回のテーマは「目隠し競技のコーナー解法について」です。

最初に断っておきますが、この記事はルービックキューブの目隠し競技を「競技」「スポーツ」として捉えることを基本前提としています。競技、スポーツであ る以上はタイムが0.01秒でも速いことに価値があり、そのためには普段の練習への取り組み方も0.01秒でもタイムを縮めていくスタンスをとることにな ります。以下に書いていく内容はエンジョイ勢の方向けの考え方ではないことをご理解ください。エンジョイ勢の方にはそもそも必要のない考え方です。ここでは競技、 スポーツとしての目隠し競技、BLD競技のタイムを少しでも縮めるために私が思っていることを書いていきます。



最近になって日本のBLDのレベルもやっと上がり、BLDで高みを目指そうとする人のための情報もだんだんと整備されてきました。 3OP(COCPEOEP、3サイクル)法でBLDを始めるのが普通というのももう既に過去の話、今ではエッジにはM2法、コーナーにはOld Pochmann法を使うのがトレンドで、多くのBLD初心者がこの解法でBLDを始めた結果、みるみるタイムを伸ばしていき2分切り、さらには1分切り を達成しています。

私は2012年の10月1日にBLDの解法を学び始めましたが、解法を学び始めた当初から疑問に思うことがありました。当時、「3BLDを始めるなら M2/COCPで始めるのがセオリー」ということがよく言われていましたが、これに私はとても疑問を感じていました。エッジはM2でいいのになんでコーナーがCOCPなのか、という疑問です。

3OP(COCPEOEP、3サイクル)法は最古のBLD解法であり、その開発は1981年と、30年以上の歴史を誇ります。この解法によってルービック キューブの目隠し競技が普及し、スピードキュービングの可能性も大きく広がることになりました。そして月日は流れ、2000年代初頭、ドイツの Stefan Pochmann氏がOld Pochmann法を開発し、そこからキューブブームの再熱にのり、TuRBo法、M2/R2法、そしてFreeStyleとBLDの解法は進化を遂げて いきました。

3OP法はルービックキューブを目隠しで解くことを可能にし、スピードキュービングの可能性を広げたという点で多いに評価される解法です。
しかし、この解法で今のキューブ界の中で高みを目指せるかと言われたら、ちょっと疑問を感じないでしょうか?


ここからは実際の解法の特徴の話です。

3OP法は正式には3-cycle Orientation Permutation methodと呼ばれ、文字通り最初にコーナーパーツとエッジパーツの向きを正しい方向に合わせ(Orientation)、その後にパーツの位置を正し い位置に入れ替えていく(Permutation)、といった作業をします。分析記憶の際には、最初にコーナーとエッジがどの方向を向いているかをすべて 確認し、その後にパーツの動き方を確認し記憶していきます。(3OP法の主旨は、「位置合わせと向き合わせを同時に行う3点交換」では使用する手順の量が 莫大なものとなってしまうために、コーナーとエッジの「向き合わせ」を最初に行うことで、使用する3点交換手順を少なく済ます、といったものです。少ない 手順でアプローチすることができるという点では合理的な解法と言えます。)

これに対して3OP法以外の解法には、「位置合わせと向き合わせを同時に行う」という共通の特徴があり、位置合わせと向き合わせを同時に行う解法には「ス テッカー記憶(フリースタイル記憶)」という記憶法を使用します。分析記憶方法は至って簡潔、コーナーならおよそ8文字、エッジならおよそ12文字の文字 をバッファ(分析記憶の起点)から読み取っていき、その文字羅列を覚えるだけです。

ここまで読んだだけでも、3OP法に比べ、3OP法以外の解法の方が、簡単に記憶できるし記憶に時間がかからないということがBLDができない人でも簡単にわかると思います。
分析記憶に手間がかからない≒記憶を速く終わらせることができる
まずはこれを理解しておいてください。
「位置合わせと向き合わせを同時に行う」解法は「記憶を速く終わらせる」ことができます。


さて、結論から言います。
記憶を速く終わらせることができる解法が一番速いです。

ここで手数の話がよく引き合いに出されます。
位置合わせと向き合わせを同時に行う解法、主にOld Pochmann法、M2/R2法ですが、「2点交換の解法であるために手数がかかり、手数の少ない3OP法の方が勝る」と言う意見が数多く見受けられます。
ぶっちゃけて言うとこの考え方は、「そこそこ速いけれどもトップ層ではない人」によく言われるものであって、「速い人」、または「トップ層を狙っていく、狙いたい人」には通用しないものです。
「そこそこ速いけれどもトップ層ではない」人は、記憶に時間がかかってしまう人であり、そういった人は記憶を削ることができないために、実行の手数でごま かしていくしかありません。3点交換をベースにした3OP法が、手数の多い2点交換の解法よりも手数が微妙に少ないために、この解法こそが優れていると勘 違いをしてしまいます。

優れた記憶力を生まれ持った人でも、3OP法に見られるパーツの向きを確認する、セットアップをいちいち考える、といった動作をしているようでは記憶にと にかく時間がかかってしまいます。この考え方に嵌ってしまうようでは、優れた記憶力を持った人もその記憶力を活かすことができません。

これに対して「位置合わせと向き合わせを同時に行う」解法は、記憶を「最も速く」「簡単に」終わらせることができるため、記憶力をそこそこに備えた人の能 力はかなりの程度引き出されます。さらには記憶力がそこまでもない人でも、そのそこまでもない記憶力が最大限ムダなく引き出されます。
つまりは、その人その人の持った記憶力を、ムダなく綺麗に引き出せるということです。


そもそも実行パートで全体のタイムを縮めようとしても、記憶をパートを無視しているようでは、その縮むタイムも正直たかが知れています。もちろん実行パートも10秒単位でタイムを縮めることができますが、記憶パートに無駄がある解法を使用してしまうと、その縮めたタイムも相殺されてしまいます。

筆者の例を挙げますと、筆者は普段の3BLDの記憶パートをステッカー記憶で行うと、大体10秒かからないくらいで終えることができますが、コーナーに Old Pochmann法やR2法のの代わりに3OP法を使い、3OP法での記憶法を使って記憶しただけでも、記憶に30秒はかかってしまいます。Old PochmannよりもCOCPに実行パートにやや分があるとしても(実際のところそこまでかわりませんが。)、記憶時間を考えればOld Pochmannを使用した方が全体のタイムは速いですよね?
つまりはそういうことなのです。

3OP法はOld Pochmann法やR2法に比べて実行パートに分があると言われていますが(実際はそこまで変わりません。本当に微々たる差です。)、記憶パートには明らかな差があります。3OP法に比べてOld Pochmann法やR2法が優るのにはこういう理由があるのです。



だらだらとわかりにくい文章で説明していきましたが、私の言いたいことは、競技としてBLDをやるならば、3OP法はすぐにやめるべきということです。コーナーの解法をOld Pochmann法やR2法に変えるだけで、ほとんどの競技者のタイムは劇的に伸びるはずです。断言します。最近の日本のBLDのレベルが上がってきたの は、3OPをやめる人が増え、効率の良い解法に乗り換えた結果である、というのがかなりあると考えています。

「そこそこ速い人けれどもトップ層ではない」人による「誤った」情報が広まってしまった結果、3OP法の普及につながり、本当に才能のある人の芽を摘む結果になってしまったと思えてなりません。特に日本は長年そうだったのではないのでしょうか。
日本にもBLD、記憶競技の才能に溢れたキューバーは結構な数がいたと思います。しかし3OP法の普及、誤った情報が広まりすぎていたために、そういったキューバーたちの実力は引き出されず、日本のBLDのレベルは「とても」低いものとなっていたのでしょう。


しかし今はどうでしょうか、正しい情報が普及した今では一つの壁である「sub60」を達成したBLDerが数多く誕生しました。正しい情報が普及し始めた2012年 には公式sub60を達成したキューバーは2人でしたが、2014年4月現在では7人となっています。これは非常に大きなレベルの向上と言えるでしょう。

「正しい」情報の普及に努めることが日本のキューブ界のレベルを少しでも上げていく手段であると考えています。日本の目隠し競技のレベルが少しでも上がることを願って、これからも情報を発信していきたいと思います。
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