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Cozy "Cube" Corner ある一人のスピードキューバーのブログ

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BLDtutorial【コラム】~コーナー解法のすすめ~

こんにちは、小澤です。
このブログもあの「Cube Voyage」にリンク登録されましたので、ちょっと有益かなと思うことをひとつ書きます。
今回のテーマは「目隠し競技のコーナー解法について」です。

最初に断っておきますが、この記事はルービックキューブの目隠し競技を「競技」「スポーツ」として捉えることを基本前提としています。競技、スポーツであ る以上はタイムが0.01秒でも速いことに価値があり、そのためには普段の練習への取り組み方も0.01秒でもタイムを縮めていくスタンスをとることにな ります。以下に書いていく内容はエンジョイ勢の方向けの考え方ではないことをご理解ください。エンジョイ勢の方にはそもそも必要のない考え方です。ここでは競技、 スポーツとしての目隠し競技、BLD競技のタイムを少しでも縮めるために私が思っていることを書いていきます。



最近になって日本のBLDのレベルもやっと上がり、BLDで高みを目指そうとする人のための情報もだんだんと整備されてきました。 3OP(COCPEOEP、3サイクル)法でBLDを始めるのが普通というのももう既に過去の話、今ではエッジにはM2法、コーナーにはOld Pochmann法を使うのがトレンドで、多くのBLD初心者がこの解法でBLDを始めた結果、みるみるタイムを伸ばしていき2分切り、さらには1分切り を達成しています。

私は2012年の10月1日にBLDの解法を学び始めましたが、解法を学び始めた当初から疑問に思うことがありました。当時、「3BLDを始めるなら M2/COCPで始めるのがセオリー」ということがよく言われていましたが、これに私はとても疑問を感じていました。エッジはM2でいいのになんでコーナーがCOCPなのか、という疑問です。

3OP(COCPEOEP、3サイクル)法は最古のBLD解法であり、その開発は1981年と、30年以上の歴史を誇ります。この解法によってルービック キューブの目隠し競技が普及し、スピードキュービングの可能性も大きく広がることになりました。そして月日は流れ、2000年代初頭、ドイツの Stefan Pochmann氏がOld Pochmann法を開発し、そこからキューブブームの再熱にのり、TuRBo法、M2/R2法、そしてFreeStyleとBLDの解法は進化を遂げて いきました。

3OP法はルービックキューブを目隠しで解くことを可能にし、スピードキュービングの可能性を広げたという点で多いに評価される解法です。
しかし、この解法で今のキューブ界の中で高みを目指せるかと言われたら、ちょっと疑問を感じないでしょうか?


ここからは実際の解法の特徴の話です。

3OP法は正式には3-cycle Orientation Permutation methodと呼ばれ、文字通り最初にコーナーパーツとエッジパーツの向きを正しい方向に合わせ(Orientation)、その後にパーツの位置を正し い位置に入れ替えていく(Permutation)、といった作業をします。分析記憶の際には、最初にコーナーとエッジがどの方向を向いているかをすべて 確認し、その後にパーツの動き方を確認し記憶していきます。(3OP法の主旨は、「位置合わせと向き合わせを同時に行う3点交換」では使用する手順の量が 莫大なものとなってしまうために、コーナーとエッジの「向き合わせ」を最初に行うことで、使用する3点交換手順を少なく済ます、といったものです。少ない 手順でアプローチすることができるという点では合理的な解法と言えます。)

これに対して3OP法以外の解法には、「位置合わせと向き合わせを同時に行う」という共通の特徴があり、位置合わせと向き合わせを同時に行う解法には「ス テッカー記憶(フリースタイル記憶)」という記憶法を使用します。分析記憶方法は至って簡潔、コーナーならおよそ8文字、エッジならおよそ12文字の文字 をバッファ(分析記憶の起点)から読み取っていき、その文字羅列を覚えるだけです。

ここまで読んだだけでも、3OP法に比べ、3OP法以外の解法の方が、簡単に記憶できるし記憶に時間がかからないということがBLDができない人でも簡単にわかると思います。
分析記憶に手間がかからない≒記憶を速く終わらせることができる
まずはこれを理解しておいてください。
「位置合わせと向き合わせを同時に行う」解法は「記憶を速く終わらせる」ことができます。


さて、結論から言います。
記憶を速く終わらせることができる解法が一番速いです。

ここで手数の話がよく引き合いに出されます。
位置合わせと向き合わせを同時に行う解法、主にOld Pochmann法、M2/R2法ですが、「2点交換の解法であるために手数がかかり、手数の少ない3OP法の方が勝る」と言う意見が数多く見受けられます。
ぶっちゃけて言うとこの考え方は、「そこそこ速いけれどもトップ層ではない人」によく言われるものであって、「速い人」、または「トップ層を狙っていく、狙いたい人」には通用しないものです。
「そこそこ速いけれどもトップ層ではない」人は、記憶に時間がかかってしまう人であり、そういった人は記憶を削ることができないために、実行の手数でごま かしていくしかありません。3点交換をベースにした3OP法が、手数の多い2点交換の解法よりも手数が微妙に少ないために、この解法こそが優れていると勘 違いをしてしまいます。

優れた記憶力を生まれ持った人でも、3OP法に見られるパーツの向きを確認する、セットアップをいちいち考える、といった動作をしているようでは記憶にと にかく時間がかかってしまいます。この考え方に嵌ってしまうようでは、優れた記憶力を持った人もその記憶力を活かすことができません。

これに対して「位置合わせと向き合わせを同時に行う」解法は、記憶を「最も速く」「簡単に」終わらせることができるため、記憶力をそこそこに備えた人の能 力はかなりの程度引き出されます。さらには記憶力がそこまでもない人でも、そのそこまでもない記憶力が最大限ムダなく引き出されます。
つまりは、その人その人の持った記憶力を、ムダなく綺麗に引き出せるということです。


そもそも実行パートで全体のタイムを縮めようとしても、記憶をパートを無視しているようでは、その縮むタイムも正直たかが知れています。もちろん実行パートも10秒単位でタイムを縮めることができますが、記憶パートに無駄がある解法を使用してしまうと、その縮めたタイムも相殺されてしまいます。

筆者の例を挙げますと、筆者は普段の3BLDの記憶パートをステッカー記憶で行うと、大体10秒かからないくらいで終えることができますが、コーナーに Old Pochmann法やR2法のの代わりに3OP法を使い、3OP法での記憶法を使って記憶しただけでも、記憶に30秒はかかってしまいます。Old PochmannよりもCOCPに実行パートにやや分があるとしても(実際のところそこまでかわりませんが。)、記憶時間を考えればOld Pochmannを使用した方が全体のタイムは速いですよね?
つまりはそういうことなのです。

3OP法はOld Pochmann法やR2法に比べて実行パートに分があると言われていますが(実際はそこまで変わりません。本当に微々たる差です。)、記憶パートには明らかな差があります。3OP法に比べてOld Pochmann法やR2法が優るのにはこういう理由があるのです。



だらだらとわかりにくい文章で説明していきましたが、私の言いたいことは、競技としてBLDをやるならば、3OP法はすぐにやめるべきということです。コーナーの解法をOld Pochmann法やR2法に変えるだけで、ほとんどの競技者のタイムは劇的に伸びるはずです。断言します。最近の日本のBLDのレベルが上がってきたの は、3OPをやめる人が増え、効率の良い解法に乗り換えた結果である、というのがかなりあると考えています。

「そこそこ速い人けれどもトップ層ではない」人による「誤った」情報が広まってしまった結果、3OP法の普及につながり、本当に才能のある人の芽を摘む結果になってしまったと思えてなりません。特に日本は長年そうだったのではないのでしょうか。
日本にもBLD、記憶競技の才能に溢れたキューバーは結構な数がいたと思います。しかし3OP法の普及、誤った情報が広まりすぎていたために、そういったキューバーたちの実力は引き出されず、日本のBLDのレベルは「とても」低いものとなっていたのでしょう。


しかし今はどうでしょうか、正しい情報が普及した今では一つの壁である「sub60」を達成したBLDerが数多く誕生しました。正しい情報が普及し始めた2012年 には公式sub60を達成したキューバーは2人でしたが、2014年4月現在では7人となっています。これは非常に大きなレベルの向上と言えるでしょう。

「正しい」情報の普及に努めることが日本のキューブ界のレベルを少しでも上げていく手段であると考えています。日本の目隠し競技のレベルが少しでも上がることを願って、これからも情報を発信していきたいと思います。
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